結婚記念日の定番となりつつある、浅草のオマージュ。今日は、素材を前面に出したメニューが中心だったので、ワインはマコンにした。
・アラカルト
ピクルスとテリーヌとオリーブ。こういう細かいものがうまいのが、もう。
・パン
これはいつも同じ、黒オリーブのパンと、ライ麦のパン。いずれもこの店の石釜で焼いている。何より、バターが。バターが。バターが。
・ナスのピューレ+クルトン
ナスの癖のなさとクルトンの甘み、食感がたまらない。これからのコースを期待させる何か。
・鮪のカルパッッチョ+温泉卵+鶏のゼリー
イノシン酸の饗宴。アクセントの塩昆布が見事。
・フォアグラ+フランスレンズ豆のソース+りんごのピューレ+豚の血のソーセージ春巻
ああ、フォアグラってこういうもんだと思うんですよ。まっったくごてごてしていない。生の血の塊を、繊細な胡麻塩の風味で臭みを完全にシャットアウトし、いうなればイクラのような食感で楽しませてくれる。
豚の血のソーセージはフランスの伝統的な料理だけど、それだけだと台湾にいきたくなる。しかし、そこで、庶民がフランス料理を食べるときに必ずといっていいほど感じるフルーツの妙味が炸裂する。
・甘鯛のソテー+ラタトゥイユ+クリームじたてのソース
甘鯛は鱗が付いたままソテーしたもの。鱗の触感と、ラタトゥイユと甘鯛を焼いた際に使った油をベースにしたミルクじたてのソースが超絶。鱗の旨味をあれだけ引出しながら、本体をこれだけみずみずしく焼いてこられた日にゃあ、もう。
・牛ささみ肉のソテー+野菜
ささみ肉というのは、ロースの近くの希少な部位とのこと。その牛はもとより、野菜うますぎ。アスパラの暴れる野菜汁。2種類の蕪の味が区別できるソテー。牛も、誰でも大好きなとろけるような触感ではなく、きちんとした歯ごたえのある食感の「肉」なのがすばらしい。
・アーモンドのババロア+柚のシャーベット、ラベンダーのムース+ショコラのアイスクリーム
いうことないですビバ、ババロア。
これだけ満足できて、2人で2万円に満たない。とにかく下町の底力を疎かにするな、と。そして、口当りの良さがグルメだと思うな、と。
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