2008/07/27

金曜日、帰り際にうっかりメールを見ると、確率クイズが出題されていた。
xi ≧ 0 かつ Σ xi = 1 となるような乱数 
x1, ..., x10 がほしい。

そこで、区間 [0,1] 上の独立な一様乱数を 9 個作ってソートし、
得られた r1 ≦ … ≦ r9 を使って、
xi = ri - ri-1 としてみた。
(ただし r0 = 0, r10 = 1)

これは平等か?
たとえば x1 の分布と x5 の分布は等しいか?
(数式に頼らずうまく説明せよ)
ようするに、数直線の0~1の間に均等な確率で弾を9発撃ち込むという行為を繰り返したとき、毎回の隣り合う各弾の間隔は同じような幅になると期待していいか、ということでしょう?
 0            ri-1   ri            1
-+--- …… ---+------+--- …… ---+-
`--xi--'
たとえば撃ち込む弾の数が毎回1発だったら、
 0       r1        1
-+-------+---------+-
`--x1--'`---x2---'
いかにも x1 と x2 が同じ分布になりそうだ。撃ち込むのが9発でも同じことだよね。というわけで、この方法で平等な乱数を10個作ることができる。

こう返信しようとしたけど、思いとどまって(というか時間がなかったので)その日は帰宅した。

でも今日、紙と鉛筆を使ってもうちょと考えてみることにした。

追記:以下にはしょうもない間違いがあるので、あとで訂正します。


任意のλ∈[0,1] について、xi がλになる確率 P(xi = λ) を考えよう。 ri より左側に i-1 個の乱数があって、ri+λ より右側に 9-i 個の乱数があるということなので、以下のように書ける。
P(xi = λ) = rii-1 × (1 - ri - λ)9-i
いくつか具体的に計算してみると、x1 がλになる確率は以下のとおり。
P(x1 = λ) = r10 × (1 - r1 - λ)8
= (1 - r1 - λ)8
同様に x2 がλになる確率は、
P(x2 = λ) = r21 × (1 - r2 - λ)7
= r2 (1 - r2 - λ)7
おや、なんだか P(x1 = λ) = P(x2 = λ) とも言えなそうだ。そこでおおざっぱに評価してみる。
   P(x2 = λ) / P(x1 = λ)
= r2 (1 - r2 - λ)7 / (1 - r1 - λ)8
= (r2 / (1 - r1 - λ)) × ((1 - r2 - λ)7 / (1 - r1 - λ)7)
≦ (r2 / (1 - r1 - λ)) ← r1 ≦ r2 なので
= r2 / (1 - r2) ← λ = r2 - r1
最後の式は、r2 = 1/2 なら 1 になる。しかも、もし r1 = r2 だったら、途中の不等号が統合になるので、P(x1 = λ) = P(x2 = λ) になる。撃ち込む弾の数が毎回1発のケースは、この場合に相当していたのか。

というわけで、実は平等じゃない、というのがクイズの答えっぽい。数式を使わない説明としては、1に近づくほど確保しうる xi の大きさが小さくなってしまう確率が高まるから、というのでどうでしょう。