2018/08/15

日本語の編集をしていてよく直すパターン15選(増えるかも)

校正のバイトをしててよく直す箇所10選|bxjp|note(ノート)』という記事を読んで、よくパターン化されていて素晴らしいって思っていました。ところが、記事の趣旨を勘違いした方からの冷たい反応を受けて有料にされたということで、あまりも残念なので自分の立場で再編してみました。1~10は元記事のパターンに対してぼくの考え方を添えたもの、A以降は、元記事を見てぼくが反射的に思いついたパターンです。

まあ、こういうパターンは便利だけど、パターン化できる修正を積み重ねれば悪文がなくなるほど自然言語は簡単ではないので、編集や校正をする人はたいへんですね。 自分は、こういうパターンも直すけれど、段落の役割を整理する、みたいな修正のほうが専門です。(専門とは?)

追記:これは文の書き方指南じゃなくて、文の編集校正で何をやってるか報告です。


1. 順接の「が」が頻出

順接の「が」は撲滅を目指すべきです。なるべく減らす、とか言ってる場合ではない。

2. 「も」を使いがち

「も」が必要以上に使われているのは論外として、「も」の位置も直したほうがいい場合っていうのが意外と多い。つまり、「も」の位置を直したほうがいい場合っていうのも意外と多い。

3. 「することができる」を使いがち

発話で「〇〇できる」と短く言い切るのは不安かもしれませんが、書き言葉では「することが」成分はおおむね不要です。ざくざく削ぎ落としていきます。

4. 途中で主語が入れ替わっている

書き手が長い文を書いていると、しばしば主語が入れ替わってしまう。ところで、前の文では主語が入れ替わっていて、日本語では許容される場面も多く、徹底するのは難しい気がします。とはいえ、やっぱり読みやすくはないので、たいていの場合は文章ごと書き直します。

5. 意味のまとまりで「、」を打たない

読点は意味の区切りとは限らないので難しいなあ(そもそも意味とは)。ただ、発話の調子に合わせて入れるものではない、とだけは言えます。

6. 列挙するときに余計な語句を入れてくる

これはよくわからなかった。

7. そこ漢字?ってところが漢字

~と言う、無い、出来る、何れも漢字にして欲しく無い。

8. 同じ表現・言葉が近い位置に出てくる

同じものは同じ表現にするのが原則。そのうえで、微妙に違う話が同じ表現になるのを避けたい場合、箇条書きにするといった工夫を施す場合があります。

9. 表現がバラエティ豊かすぎる

非標準的な語法やレトリックは、多用すると印象が悪いので、きもち控えめに修正することがよくあります。

10. 同じことを書いている&省略せずに書いている

どんなに重要な話でも、同じ内容の文が近距離で繰り返されている場合には、ざっくり要約するか、別の表現に書き換えるなどします。

A. 因果関係を示すために「ため」を使わない

「ため」は多義的なので、目的を示すための利用に限定していきます。

B. 「の」でなくてもいい場所から「の」を追放する

「ぼくのかんがえたさいきょうのまとめ」よりも「ぼくがかんがえたさいきょうのまとめ」

C. 「イ形容詞+です」を避ける

わりと多いです。うまくないです。

D. 「行う」を減らす

便利なのでつい多用しがちだけど、だいたいは動詞ひとつで言い換えられます。「することができる」と似てるかもしれない。

E. 目的語の不足や、位置の修正

「「何を」がないことが多い。」みたいな文だと、わかってる人にしか伝わりません。「読者が、文脈から動詞の対象となるモノを推察するしかない文章が少なくありません。」くらいたっぷり書いてほしいわけです。それをさらに編集で「動詞の対象となるモノを、読者が文脈から推察するしかない文章が少なくありません。」と直したりします。

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