2006/03/11

ひさしぶりに電車にのったら、どっかの塾の広告が「日本の小学生は 9×9 までだけどインドの小学生は 19×19」っていってる。これは趣旨としては「もっとつめこもうぜ」であり、「詰め込みのお手伝いをさせていただくので費用をたっぷりお支払いください」だよなあ。ゆとり教育の見直しバンザイ……なわけないだろ

実は 19×19 の暗算は、思うほどむつかしくない。中学生以上なら、こんなふうにできる。
19×19 = (20 - 1)2 
= 202 - 2×20×1 + 12

ようするに、19 を 20-1 だと思って、誰もが中学校で詰め込まれたはずの文字式の展開をしただけ。
(a - b)2 = a2 - 2ab + b2

202 - 2×20×1 + 12 には、九九の延長で対応できる掛け算しかなくて、結局 400-39 になる。19×19 を脳内筆算するのはしんどいけど、400-39 なら暗算できる範囲だと思う。400-39 にもっていくまでに多少の脳内レジスタは必要だけど、常態でそれくらいのレジスタを確保できない脳みそが 19×19 を暗記するのはどのみち無理ですから。

つまり2桁の掛け算を九九のように暗記させる必要はない。むしろ積極的に暗記させないほうがいいかもしれない。どうせ詰め込むなら、文字式の展開とか因数分解の公式を小学校で詰め込んで、こんなふうに応用できることを教えてやってください。「あげるなら魚じゃなく釣竿」ってやつね。

0 件のコメント: