2005/11/14

信じられないモチベーションといったら、ショスタコービッチもそうだ。党から創作活動を制限されていたジダーノフ批判以降の約4年間、ひたすら机の引き出しの肥やしにするために、24のプレリュードとフーガ、弦楽四重奏第4〜5番、バイオリン協奏曲第1番といった超傑作をこっそり作り続けてたんだから。もちろん、その間は収入もほとんどないわけで、ただ自分のためだけの作曲に労力を投入していたことになる。こう書くと、そのへんの道端やWebで「作品」を発表している自称アーティストやブログロガーと変わらなくなっちゃうな。ショスタコービッチの場合は、発表することはもちろん、作っていることさえ禁じられている状況なわけで、「オレを認めて欲しい」という欲求が一切介入しないところで高度な創作活動を続けていたところがすごい。あこがれる。
溢れてくる何かを信じられる人が本当に羨ましい。羨ましいんだけど、個人的に共感を感じてしまうのは、むしろドビュッシーのようなタイプである。こちらは着想を得ても、なかなか作品に仕上げられない。自分のやってることについて悩みまくって、ようやく形が見えてきても、また悩み始めちゃう。家の外で政情が不安定になったりすると、もう落ち着かない。結局、残せる作品の数は多くないけど、それでも圧倒的に傑作ばかりだから、やっぱりすごい。あこがれる。
ようするに、あれか。モチベーションの発現や維持はともかく、とにかく脳と手を動かせと。

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