2005/05/03

逓信総合博物館へ収蔵品の写真を借りにいく。たいへん親切に対応していただきありがとうございました。

上野の科博は140分待ちの行列ができてたけど、ここは静か。それでも、普段と比べると多いらしい。みんな博物館にいくのはやめてください。どこもかしこも科博みたいになったらがっかりだ。

逓信総合博物館は、NTTとNHKと郵政公社という、並べるといい感じに何かが凝縮される3つの団体が共同で運営している。ただし、館内の展示はすっかり分断していて、通信と放送の融合なんていうキーワードとは無縁の世界になっている。企画展ではいろいろと協力するのかな。展示のおもしろさは、NTT > 郵政公社 >= NHK という感じ。なにせNHKのブースで印象的だったは、モニターにカードキャプターさくらを垂れ流してるコーナーだったから。

博物館が工夫すべきなのは、見た目の親しみやすさではないと思う。珍しいものを、「それがどういう意味で価値を持ち、単に珍しいだけじゃない」とわかるように展示してほしい。いかにも「わかりきったことだし努力しています」って言われそう。でも、展示物の脇の説明とか、博物館が提供してくれる解説が微妙に読みにくいと感じているのは、僕だけじゃないはず。ほかの展示物との関係をもっと明確に示してくれるとか、そういう工夫だけでもいいんだけど。
たとえば、『強構造化ダニエル式ラダー』と『非構造化リズ式ラダー』が展示されていて、『強構造化ダニエル式ラダー』の解説プレートに「『非構造化リズ式ラダー』の欠点を補って2150年にJ.ダニエルにより開発された」とだけ書いてあっても、『非構造化リズ式ラダー』が何なのか閲覧者にはわからないのがオチだ。『強構造化ダニエル式ラダー』の直前に『非構造化リズ式ラダー』が陳列してあったのかもしれなけど、そんなことはたいてい覚えてない。もし『強構造化リズ式ラダー』も置いてあったら、まちがいなく専門家以外には区別ができず、博物館を出た瞬間(それどころか展示物を見た次の瞬間)にすべて忘れてる。なんか書いてるだけでもこんぐらがってきたし。

つまり見せる工夫というのは、「見たい」需要が顕在化していないものを見せるための工夫であって、見たい人がたくさんいることがわかっているものを用意して客を寄せることではないのです。潜在的な需要をたたき出すための工夫という意味では、広告代理店とかでの研修をするのもよろしいのではないでしょうか。

実際には、必ずしも広告代理店が潜在的な需要のたたき出しに成功するわけではないので、無意味だと思う。ただ、同じ意識を持つことの役には立つかもしれない。

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