2007/09/30

9月20日に高橋アキのピアノドラマティック・シリーズ #5にいってきた。高橋アキについては、一時期よくサティを弾いていた人という認識しかなかったし、今回の演目にもシューベルトの13番とかあったので、もっと「耳にやさしい」コンサートかと思ってたよ。自分のなかでシューベルトブームだったのと、チェロのローハン・デ・サラムが競演してコダーイの無伴奏チェロとかドビュッシーのソナタとかやるということだったので、それなら奥さまがチェロを聴いてみたがっていたしちょうどいいかと思ってチケットを買った。

で、このローハンおじさん、高橋アキがモンポウとかシューベルト13番のような聴き心地のいいクラシカルな演目をやるといってるところに「オレにコダーイをひかせろ」といって殴り込んできただけのことはある。メロディックなさじ加減ゼロ。たとえばヨーヨー・マのひくコダーイは、このむちゃくちゃハードな技巧の曲を可能なかぎり美しく聴かせようみたいなサービス精神に溢れているんだけど、ローハンおじさんにそんな気配はない。最後の一音なんて、ほとんど放り投げてるもんな(ヨーヨーのCDでは、たっぷり響かせて終わる)。もう、この演奏だけでファンになりました。翌週の27日にも渋谷でローハンおじさんが聴けるというので、もちろんそちらにもいってきた。

27日のほうは、フルートのカリン・レヴァインと競演で、現代曲オンリー。50人くらいしか聴衆のいない小さな演奏会だったけど、これがまた強烈だった。ローハンおじさんはコダーイに加えて、クセナキス(本人はゼナキスと発音してた)と松村禎三(!)のソロ曲を演奏してくれた。クセナキスはもともとプログラムにあって、期待もしてたんだけど、ゆうに期待を裏切ってくれる。松村禎三は、追悼として当日プログラムに追加されていた。17絃箏のための祈祷歌をチェロ独奏むけにアレンジしたものらしい。最初からチェロ独奏の曲でしょうっていうくらいの完成度なんですが、それは松村禎三の曲の力ですか、それともローハン・デ・サラムのうまさですか。なんかいま東京でレコーディングしているらしいんだけど、コダーイはもちろん、このクセナキスのKottosと松村禎三をなんとか収録していただけないものでしょうか。

この日はフルートのカリン・レヴァインさんもよかったな。とくにカイヤ・サーリアホとジャチント・シェルシ。フルートってこんなにいろんな音が出る楽器だったんですね。バスフルートやアルトフルートの独奏曲を生で聴く機会があるとは思いませんでした。

高橋アキを忘れていたわけではなく、9月20日の演奏にはものすごく共感するんだけど、いかんせん後にやった9月27日の演奏会の印象のほうが強烈に残っているのですっかり話がずれた。とくに、つっかかるようなシューベルトは、そうでなければシューベルトをあえて聴く意味はないよねと個人的にはすごく同意したい。

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