2007/01/06


奥様が「お行」のピアノ曲を聞きたがっていた。「お行」ってなんだ、と聞くと、ロロロロロ……とかポポポポポ……とかで擬音化できるような曲だという。一般にピアノの音の擬音化は「ポロロン」みたいな感じなので、だいたいどの曲も「お行」なんじゃないのか? しかし、どうやら違うらしい。僕がいつも聞いているピアノ曲は、彼女にとってキョキョキョキョキョ……とかリリリリリ……なんだと。つまり「い行」か。

とりあえず彼女がイメージ先行で選んできた「お行」のCDはショパン。なんだ、そういうのでいいのか。つまり、比較的耳にやさしい音がほしいってことね。そこでブレンデル先生のモーツァルトのソナタを渡したら、案の定、求めていたものに合致したようだ。彼女の脳でキョとかリに聞こえるのは、きっとナンカロウとかメシアンなんだろう。たしかに鋭い音が跳ねっ返っているような雰囲気が「い行」に聞こえてきたよ。面白いのはドビュッシーなんかも「い行」系列にくくられていること。方法論は独自だけど結果的に納得できるカテゴライズがなされていることに驚く。その後の実験的な推測により、僕が聞きたい音と彼女が求めている音のぎりぎりの交わりは、シューベルトの後期ソナタ付近にありそうだということがわかった。

残念ながらうちには「お行」系列のまっとうなCDがたいへん少ないので、すこし補充するかなあ ← 結局CDが買いたい。



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