2007/08/15

cさんに「索引の読み仮名をひらがなで明示的に指定するのは前時代すぎてあほみたいだ。休み明けまでに何とかしとけ」と恫喝されたので、彼女が休みのあいだに急いで対策することにした。

まあ、実際の cさんはそんなひどい言い方をする人ではなく、ちょうかわいいんだけど、たしかに LaTeX ベースで本を作っていると索引のふりがな入力がうっとうしい。労力の問題だけでなく、原稿にひらがなが氾濫して読みにくくなるという意味でもうっとうしい。

漢字かな変換にはKAKASIを使うのが常套なんだろうな。Gauche には Ruby とちがって KAKASI のライブラリはないけれど、ほとんどジョーカーみたいな c-wrapper がある。
これで libkakasi.h に宣言されているCの関数が Gauche から使える。
(use gauche.charconv)
(use c-wrapper)
(c-load-library "/usr/lib/libkakasi.so.2.1.0")
(c-include "/usr/include/libkakasi.h")

(define (kanji->hira str)
(let ((base-ces "utf-8")
(kakasi-ces "iso2022jp"))
(kakasi_getopt_argv 3 '("kakasi" "-JH" "-p"))
(ces-convert
(x->string (kakasi_do (ces-convert str base-ces kakasi-ces)))
kakasi-ces base-ces)))
KAKASIがUTF-8を扱えないのが厄介だけど、それ以外はとても素直に Gauche で漢字かな変換ができる。

gosh> (kanji->hira "素子")
{もとこ|そし}
さて、この「素子」のようにユニークな読みを決定できない項目があると困っちゃうんだけど、「もとこ」か「そし」かの判断を機械的にすべきではなさそうだ
(「この素子を開発したのは素子さんです」問題)。だから、こういうのだけは人力であらかじめ指定しておくのが最適な対応だと思うのですが、それでかまわないでしょうか?> cさん
こんなふうにマークアップ原稿がLaTeXへと変換されるようにします。
<p>
この素子を開発したのは素子さんです。
<indexterm><i1 sortas="そし">素子<i2>開発者</i2></i1></indexterm>
<indexterm><i1 sortas="もとこ">素子</i1></indexterm>
<indexterm><i1>開発者</i1></indexterm>
</p>

この素子を開発したのは素子さんです。\index{そし@素子!かいはつしゃ@開発者}\index{もとこ@素子}\index{かいはつしゃ@開発者}



参考:
今日の一行::ひらかなのインデックス の cut-sea さんの解
ごとけんさんの ruby-kakasi の kakasi.c

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