2009/05/24

Goodby Bafana

『マンデラの名もなき看守』を見た。見ることができた。赤ちゃんがいると映画館にいく機会は限られるのだけど、今日はたまたまそういうチャンスだった。そして、たまたま今週の早稲田松竹のラインナップが『マンデラの名もなき看守』だった。ついてた。

映画では、旧体制の南アにおける黒人差別政策についてどうこう言うこともなく、看守としてマンデラとかかわるたびに気がついたら人生の窮地に立っている男とその家族の話をテンポよくつないで、1990年2月11日の釈放シーンで締めくくっている。じわじわくる。ラストまでのエピソードのおかげで、最後の"goodbye bafana"というセリフの手前くらいで涙が出そうになる。そして釈放シーンの看守の奥様がとてもきれい。この2つのシーンは、もっと感動的に演出してもよさそうなものだけど、これでちょうどよかったのだろうな。

現代史に散らばっている社会問題って、「かわいそう」駆動型の活動や「正義感」駆動型の行為、あるいは思考停止になりがちだ。自分は正直なところ思考停止していると思う。それを「娯楽」の形で消化する贅沢に折り合いを付けるのは難しいし、たぶん付かない。『ホテルルワンダ』もそうだった。でも、たとえばダライ・ラマ14世の亡命後の半生を描いた映画ができれば、きっと見に行く。贅沢はくせになる。

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