どんな音楽を聴くのかという質問に答えるのにいつも苦労する。耳にするきっかけがあって、気に入れば、なんでも聴きます。でも、そんな答えで納得してくれる人は少ないんだよね。
この質問に直面する機会は2つに大別されると思う。もっとも多いのは、単にその場の会話をつなぐための話題として尋ねられる場合。今日は暑かったよねえ、と同じ目的なので、相手が期待するであろう返答をしておけばいい。つまり、真剣に答える必要はない。
困るのは、この質問にそれ以上の意味合いをかぶせてこられる場合だ。僕らの社会における「お前が日々聴いている音楽はなにか?」という質問には、中東において「お前の神はなんだ?」と詰問するのと同じ役割が持たされている。それで殺されることはないだろうが、答えによっては、質問者との関係が決定してしまうこともあり得る。宗教が自爆テロを可能にするような意味で音楽が重要な意味を持っている人間もいるってことがいいたいんじゃない。そういうとりたてて極端な話ではない。
個人が属するコミュニティは暗黙のうちに区分されている。もちろん主観的に。そして、多くの人にとって、コミュニティ間の境界は意外に厳格に守られていたりする。だって、自分と興味を異にする人とは話もしないし、それ以前に話をするきっかけもない。70年代生まれの自分が、ZEPPELIN をリアルタイムで生きてきたはずなのに耳にしたこともないオトナと打ち解けられる?
実際には打ち解けられる。それは、別にもっと面白いことを共感できるだろうから。だいたい、僕は別に ZEPPELIN のフリークでもないし。ただ、リアルタイムで音楽を生きてこられた人が羨ましいのは事実だけど。なんか話が曲がりだしたな。ようするに、人間は(少なくとも僕は)、聴いている音楽でも暗黙のコミュニティ境界を引いている。それだけじゃないし、そんなのはむしろコミュニティを決定する因子としては極小だけど、0には収束しない。
だから、「お前の favorite な音楽なにか」という質問にナーバスにならざるを得ないことがある。彼らに対しては真剣に回答しなければならない。しかも慎重に。でも、いつも精神誠意回答できるわけじゃないんです。なぜなら、耳にするきっかけがあって、気に入れば、なんでも聴くから。「どうやって音楽を聴いてるの?」って質問なら答えやすいんだけどなあ。しかも個人的には、音楽の種類よりも、音楽に対する態度のほうが重要だと思う。何に重要かなんて知らないけどね。
バトン1本渡してやるからさっさと答えなさい。
返信削除もちろん最後に「どうやって聞いてるか」という設問も追加するということで。よろしく。
あのバトンは自分が納得できる答えが書けそうにないので、パスします。その代わり至高の2枚を挙げておいたので許してください。
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